2008年12月26日金曜日

『遊ぶ奴ほどよくデキる』(大前研一)

遊ぶ奴ほどよくデキる!遊ぶ奴ほどよくデキる!
大前 研一

小学館 2005-07-01
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友人が「私の短所は遊び心が無いところ」と言ったのが引っかかってて、「遊ぶ+成功=大前研一?」という事で買ってみました。笑

読んでみた感想ですが、さすが大前さん。

予想を超えて、めちゃくちゃ遊んでました。

僕とは対極の生活スタイルで、学ぶ事も多かったです。

「1時間語れないものは趣味とはいえない」とか書いてありましたが、僕は音楽について1時間語れるかというと、ビミョーですね。苦笑

それ以外に特に趣味っていうと…

って考えた時点で、自分ってつまんない人間だな~って思っちゃいました。

来年の目標にしよっか。

「1時間語れるくらいの趣味を3つみつける」ってね。笑

働いてる大前さんより、大学生の僕の方が遊んでない…と思っちゃったくらい。笑笑

とにかくフリーで、遊ぶ時はめちゃくちゃ遊べ~!って感じの本。

対象年齢が30~40代のビジネスマンっぽいけど、

忙しくて遊ぶヒマが無い人、人生楽しみたいと思ってる人にオススメです。

『欧州連合―統治の論理とゆくえ』(庄司 克宏)

欧州連合―統治の論理とゆくえ (岩波新書)欧州連合―統治の論理とゆくえ (岩波新書)
庄司 克宏

岩波書店 2007-10
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EUに関する専門書はたくさんありますが、その多くが初学者には難しい専門的な法体系について書かれた物か、ユーロや経済問題にのみ注目した本です。

そんな中、珍しくEUの仕組み・抱える問題を、俯瞰して書かれている本がこちらです。

僕は来年の春に、パリ政治学院に行くのですが、そのプログラムの事前研修の参考文献にもなっていました。

事前研修前に読み終わっていたけどね。

国家同士の統合がどれだけ難しいか、どのような点で問題が生じているか、がものすごく良く分かります。

アメリカについて書かれた本は多いですが、EUについての本は少なく、なかなか知識が付きにくいと思うので、

グローバルに活躍したい!という方は是非読んでみてください。

『暴走する資本主義』(ロバート・B・ライシュ)

暴走する資本主義暴走する資本主義
雨宮 寛 今井 章子

東洋経済新報社 2008-06-13
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社会的に望ましい状態は資本主義と民主主義が共存する状態であるが、現実には資本主義が肥大化してしまい民主主義を圧迫している、という主張の本です。

要約すると…

まず、独占企業が社会的存在となって経済発展に貢献してゆく「黄金時代のような物」がある。

ここでは、企業はカルテルや談合によって競争を逃れながら安定的な利益を得て、その一部を労働者にも還元するために、社会全体が円滑に回る。

そこで、技術革新、競争促進によって、従来の独占企業は談合・カルテルを禁止され、また参入障壁が小さくなる。

すると、他企業が市場に自由に参入できるようになり、市場競争が激化する。

また、投資が活発化し、投資家の要望に応えるために各企業は利潤最大化をせざるを得なくなる。

これにより、第一の問題として、低賃金により高収益を稼ぐ企業が増えてしまう。

また、利潤を得るためには消費者の要望に応える必要があるため、企業は頑張って魅力的な商品を作り出す。

すると、第二の問題として、ジャンクフードを大量に売り出したり、性・暴力の描写を行う企業が増えてしまった。

このような問題は政治(=民主主義プロセス)によって規制されるべきだが、企業はロビー活動を行って政治の世界をゆがめ、自分たちの競争優位が確保できるように政治を誘導してしまった。

これによって、いつのまにか投資家・消費者としての私たちの力が増し、市民としての我々の力が急速に弱まっていった。

これを「超資本主義」と呼ぶ。

CSR活動というのも、社会問題を解決するべく政治が行動し始めた時に、企業自身が「自分たちで解決します」というアピールをして政治を誘導する手段である。

このように、超資本主義においては、企業はルールに則った範囲内でいかなる手段をも利用して(スポーツなどと同じように)利潤を追求するのである。

といった感じかな。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

実は、大学1年の時に「企業はなぜCSRを行うのか」という研究を個人的にやった事があったり、

資本主義と民主主義の関連について考えてたり、とまぁ偶然が重なったので、非常に自分の関心と合致してて良かったです。

一般的に経済学では、「市場競争は資源の最適化を行い、政治はそれの再分配機能を果たす」といった説明で終始していますが、現実とはかなり違うなと感じていました。

著者はこの点に関する洞察が鋭く、資本主義が民主主義を支配している、という結論を得ています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

要約には書きませんでしたが、ライシュは最終的に

「企業は人ではない(中略)企業は法的擬制であり、契約書の束以外の何者でもない。」(p.297)

と考え、故に

「間違った人格化の結果、性格には人間に帰属しているはずの義務と権利が企業にも与えられている。そしてこのことが資本主義と民主主義の境界をあいまいにし、悪い公共政策につながっている。」(p.298)

と主張し、最終的に企業に人格を認めるべきでないとしています。

なかなか大胆な発想ですね。

ところで、法人格というのは、19世紀ドイツにて論争が起こったんです。

大きく分けて3つの主張があったのですが、

1つ目が「法人擬制説」で、これは法律上の目的のため(財産権を認めるなど)に擬制された主体であるという解釈。

2つ目が「法人否認説」で、これは法人は仮想された主体にすぎず、現実には財産管理団体と受益者の間に法的な関係が存在するだけ、という解釈。

3つ目が「法人実在説」で、企業は法人格を与えられるに適し、またそれを必要とする社会的実態であるという解釈。

確か、論争の明確な決着はついていなかった気がするのですが…。

ライシュの立場は2の「法人否認説」ですね。

3の立場に立てばCSRは真の「社会的責任」として容認できるし。

ちなみに僕は1です。

「法人」は財産権などを与えられるという理由のみで「人」であり、それ以外では「人でない」とした方が分かりやすいから。

そして、企業は「個人的倫理観を持った投資家の資金の集まり」であると考えています。

つまり、消費と同じように、投資にもhappy(効用)がある。

個人単位では、多少の配当を我慢してでも、市民としての自分の欲求を達成した方が嬉しいんだと思う。

だって、「ポルノ作ってる会社に投資してる」とか「労働者搾取してる会社に投資してる」って嫌だもん。

そして、消費者としての僕達も、「この商品は労働者を搾取して作られた」と考えれば少し高くても我慢するよね。

そういう人たちが集まって社会を作れば、超資本主義の問題は解決できると思うんだけどな。

とりあえず、勝間和代さんが言うように、一度読んでおくべき本の一つです。

政治・経済全般に関心ある人は是非読んでみてください。

2008年12月16日火曜日

『資本主義と自由』ミルトン・フリードマン

資本主義と自由 (日経BPクラシックス)資本主義と自由 (日経BPクラシックス)
村井 章子

日経BP社 2008-04-10
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絶対自由主義の視点から見た、経済学の有名な古典です。

自由主義とは、市場に任せるのが一番良いという思想なのです。

ただ、市場に任せても上手くいかないケースがあるので(外部効果・公共財・独占などの特殊ケース)、この場合は政府が介入をしましょう、という感じで、様々な社会問題に関する「望ましい政策」について書かれています。

興味深いのは、郵政改革・教育バウチャー・社会保障制度など、現代でも政策論議の対象になるような話題が扱われている事。

経済学の視点で、これらの政策の是非を分析していて、読んでる途中は古典だと忘れてしまうほどでした。

フリードマンは、

・自由と平等が互いに共存するのは難しい事

・外国為替市場は変動相場制が望ましい事

・関税を撤廃した方が、自国・他国ともに利益がある事

などを、1962年の段階で考えてたんですね。

もう、脱帽です。

経済学ってどんな学問?って思ってる人は、この本を読むと、経済学の主流な考え方(ちょっと古いけど)についての理解が深まるから、多少主張が強すぎる部分を割り引いて読むと良いと思います。

また、現代の政策に関心がある人は、古典経済学者が50年ほど前に、似たような問題に取り掛かってたことを頭の片隅においておくと良いでしょう。

経済学部生は、一回は読みましょう。

非常に読みやすく、論理展開が一貫していて理解しやすいと思うので、是非是非。

2008年12月14日日曜日

『1997年―世界を変えた金融危機』(竹森俊平)

1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書)1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74) (朝日新書)
竹森 俊平

朝日新聞社 2007-10-12
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久しぶりの更新になりますね。

この本は、ゼミ選択の候補であった竹森ゼミの先生についてよく知ろうとして買いました。

内容は、金融危機をナイトの不確実性という観点から分析した物。

ナイトの不確実性っていうのは、

リスク:確率分布は分かるが、結果に不確実が伴う物。

ナイト流不確実性:確率分布すら分からない物。

って感じかな。

経済が発達していれば、リスクは上手くヘッジされているために、リターンと均等化するように価格調整が行われるはず。

しかしそれでも経済に利潤が存在するのは、不確実性に対する挑戦を行う起業家の存在がいるから。

っていうのが、大まかな主張かな。

ナイトは、そのような人々を

無尽蔵のエネルギーと底抜けの楽観主義を持ち、物事全般について、そして特には自分の能力について高い信頼を置いた人々

とか、
莫大な金額を稼げるかもしれないわずかなチャンスを誇張して考える傾向がある

と、分析しています。少し軽蔑してみている感じですかね。

まぁ、こらへんは"Risk,Uncertainty and Profit"を買ったので、近いうちに読んでみましょう。

竹森さんの主張は、

我々の世界は「不確実性」に包囲されており、その領域に踏み込まない限り、ニュー・ビジネスはおろか生産活動全般が成り立たない(p.100)


から、不確実性に挑まざるを得ず、そうすると強気・弱気によって相場が乱高下する自体が起こり、それが金融危機の本質である、という事ですかね。

『ナイトの不確実性』に直面すると、人間はいついかなる時でも、中長期的な資産から安全で流動的なものへの持ち替えを図るものであります。(p.141)


といった感じで。

金融危機とかに興味ある人は、面白いから読んでみるといいです。

2008年12月6日土曜日

『良い経済学 悪い経済学』 ポール・クルーグマン

世の中の経済に関する主張が、あまりにも経済学の基礎から離れている、という問題意識に基いて書かれた本です。

世の中、法律については法律の専門家が、技術については理系の専門家が、という風に、重要な役割は専門家が引き受ける事が多いのですが、経済だけは無知の人が動かしている。

世の中には「俗流経済学」が蔓延っていて、正しい経済学に基く結論が無視されつつある、といった感じでしょうか。

具体的には、「国際競争力」というような表現ですかね。
新興国の台頭によって、先進国の国際競争力が低下しつつある

などといった話は、正統派経済学の理論に反します。

なんだけど、それを誰もが当たり前のように信じているっていう…。笑

「経済学部なのに知らなかったの~?」は笑い話ですが、国のトップが間違えれば笑えません。

でも、皆が俗論を信じちゃってるから、正しい理論が間違っているように認識されるという…。

三面等価の原則とか、簡単なM-Fモデルの触りを知っているだけで、世の中にある「間違った理論」に気づけます。

勉強は…3~5時間もあれば十分かな。笑

2008年11月25日火曜日

『竹中式 マトリクス勉強法』 竹中平蔵

どうやって勉強をやったらいいのか?を、経験から解説している本です。

まず、タイトルですが、勉強という物全体を
  • 人生を戦うための武器としての勉強or人間力を鍛えるための人と人を結ぶ勉強
  • 天井のある勉強or天井の無い勉強

という二つの軸に分けて、マトリクスとして捉えようという物。

分けた結果を、

  • 記憶勉強:社内試験、資格試験、入学試験など
  • 仕事勉強:経済学、金融工学、英会話など
  • 趣味勉強:武道の資格、ダイビングのライセンスなど
  • 人生勉強:教養や人間力を高める勉強、古典、音楽など

と分けて考えましょう、という事です。

逆に言えば、この部分を解説する最初の数ページ以外はマトリクスとは一切関係ないので、タイトルは多少ミスってる感があるのですが…笑

でも、この方法を取ると、勉強という物を広く捉えられるのでいいと思います。

次に、印象に残った部分を。


You can do it! を積極的に発信し、自分はYes I can!と答える。
⇒モチベーション維持 and 周りの環境を作る

長期目標短期目標を両方持つ(p.46)
⇒「夢見ながら耕すヒトになれ」

・すべての勉強に締め切りを設定する(p.50)
⇒細かく逆算してゆけば、建設的に目標へ近づける

・To Do Listを作る(p.54)
日次まで含めると、やるべき事がはっきりする。

・バカは何人寄ってもバカである。(p.78)
⇒自分の知的好奇心を刺激してくれる人と積極的に付き合って、切磋琢磨する。

・誰よりも早く、一日でも早くやる事が勝負を分ける(p.101)
⇒勉強する人にとっては、日曜日は始まり

・外国語は、耳だけでなく、肌で感じる(p.140)
⇒分からない場合は、とりあえず一番前で聞いてみる。

・一ヶ月間、ピンポイントで情報を探してみる。(p.160)
⇒「経済教室」を一ヶ月読み続ければ、背景・テーマについて随分分かるようになる。

具体的対案を出すのが、議論のルール(p.167)

勉強する事は孤独(p.194)
⇒孤独感を救ってくれるのが、仲間同士の励ましあい

・できない経験は進んでしよう(p.200)
・鳥は向かい風の中、飛び立つ(p.208)


くらいかな。

マトリクス自体は、手帳の空いているスペースを使って、一回書いてみようかなと思います。

2008年11月23日日曜日

『友だち地獄』土井隆義

現代の子供達をとりまく、人間関係の難しさを分析した上で、リストカットなどの問題がなぜ起こるかなどについて考察が加えられている本です。

まず、「優しい関係」という概念があって、これは周囲の人から反感を買わないようにするために高度なコミュニケーション能力を使って衝突を避けようとする、という関係のことです。

著者によれば、現代の学校では、
「周囲の人間と衝突する事は、彼ら(注:若者)にとってきわめて異常な事態であり、相手から反感を買わないように常に心がけることが、学校の日々を行きぬく知恵として強く要求されている。」(p.17)

のだそう。

僕は、人と衝突しながら成長した人だから、なんか残念ですね。

このような事態が起こっている例として、著者は
  • ぼかし表現 (「ワタシ的にはこれに決めた、みたいな」のように断定を避ける表現。p.17)
  • いじる、という現象(軽妙な人間関係を演出することで、いじめが本来的に有する人間関係の軋轢が表面化する事を避けようとする。p.32)

などを例に挙げている。

さて、ブログについては、

「知人にはとても公開できないと思われるような内容を、自分の興味をもってくれる見知らぬ人々に対して、ハンドルネームという匿名を使って公開している。」(p.58)

と説明。

その上で、リストカットに関しては、他者から承認される事が難しくなったこともあり、

「自らの存在を確認するためには血を見なければならない。」(p.73)

という事を挙げている。

本書にはリストカットを経験している人のブログからの引用が多々あるので、そのリアルな表現に本を読み進めながら恐ろしくなるも、リストカットをやる側の心理も少し分かるような気がして、恐ろしくなりました。



ほかには、ケータイに関する分析の章も印象に残っていています。

ケータイのメールは即レスが基本的なマナーになっている事を指摘(p.143)した上で、

コミュニケーションの欲求の背後にあるのは、何かを伝えようとする「意味伝達志向ではなく」、つながること自体をめざす「接続志向」である。(p.144)

という分析結果を引用し、

若者は学外においても「優しい関係」を構築する事を余儀なくされている、と分析。

また、ケータイが社会的GPSとして機能している事も指摘している。

他にも例を挙げればきりが無いので、この辺りでとどめておくが、

高校辺りから感じていた「人間関係の難しさ」が、

こういう所から来ているのかな、といった新しい考えが得られました。

それにしても、本の中身を読む限り、僕の中・高時代よりも全然酷い状況になってますね…。

今の学生は大丈夫なのか、不安にさせられます。

『弾言』小飼弾&山路達也

自分がいかなる行動を取るべきか?という問題を、自分=企業と考えて、貸借対照表的な考え方で分析する本です。

参考になった点

・情報洪水におぼれない(p.33)
 テレビをやたらめったら見る、など情報があふれてる環境を自分で作ると、情報に対する敏感さが失われる。逆に、マス向けの情報から自分を遮断してみる事で、自分から情報を取りにいこうと思うような環境を作るべき。

・自分の今の状況を把握すべき(p.43)
 特に自分の長所については、きちんと把握すべき。自分の得意分野をブルーオーシャンのところで作れば、自分の優位性が作れる。
 ex)もし、「あやとり」の分野でプロが成り立つならば、のび太にも居場所ができる。

・たまには積極的に待つ、という技術も大事
 自分が打つ手が分からなくなった時、とりあえず「待つ」ようにする事は意外と効率的。時期が来たらすぐに反応できるように、じっと待つ。

・カネのシステムは人間による幻想空間(p.97)
 経済システムは、人間同士の取り決めでしかない。自然界からモノを取り入れ、それをカネというファンタジーに結び付けて経済を循環させている。逆に言えば、自然から失われたモノが必ず出てくる。

・自分が勝てないゲームは観客として参加すればいい(p.119)
 Winner takes allの世界であっても、Loser loses nothingであれば問題ない。勝負に負けても、人生で負けるわけではない。

・会社とは、「コネ」を見える化して、その付加価値を得るシステムだ。 (p.124)

・人脈に関する考察
 今の時代、コミュニケーションが「密」から「疎」へと移ってきている。(p.144)

 経済学的には、人が人と付き合うのは、そこに利益があるから。自分にとって、この人脈の価値はいくらかを判断し、その分以内ならけちらず投資する。(p.147)

 ネットワークには、莫大な維持コストがかかる。そのため、ネットワークはまとめ役のハブを中心に作られる事が多い。ハブとなる人は、ネットワークについてより大きなコストを払える人であり、またその人次第でネットワークの価値が大きく変わってしまう(p.157)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この本では、時間も人脈も全部「カネ」として数値化して、

「資本」とか「負債」とかに分けて考えていて、会計に馴染みがある人には面白いと思います。

例えば、人間関係は

(借)資産:人間関係による利益  (貸)負債:相手との約束

みたいな感じで。

ただ、ちゃんと経済学的にも物事を捉えられていて、「利潤=売上-費用」を最大にする場合を考えながら、

「人間関係において最も高いコストは、初期獲得コストである。故に、人脈は大事」

みたいな話が出てきてて、面白かったです。

ついでに、会計勉強しようかな~。

2008年11月20日木曜日

『知的複眼思考法』苅谷剛彦

この本は、「知的複眼思考法」を身に着けるにはどうしたらよいか?を説明する本です。

「知的複眼思考法」とは、
あきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずに、ものごとを考えていく方法(p.27)

の事であり、自分なりに考える力を働かせていくには必要不可欠だと言っています。

ステレオタイプに捉われたり、正解が必ずあると信じたりする事が、考える上で弊害になるので、それらを取り除く力、といってもいいでしょう。

これを創造的読書、作文技法、問いの立て方&展開の仕方、の3つのステップを踏む事で、知的複眼思考法を誰でも身に着ける事が可能だ、と主張しています。


まず創造的読書ですが、これは著者の意見を鵜呑みにせず、批判的に読む方法の事です。

前提や論理展開を疑ってみる事で、自分で考えながら、情報を噛み砕いていく作業です。

これを、著者は「著者と対等な立場に立つ」と表現しているのが印象に残っています。


次に作文技法ですが、意見が伝わるように文章家する方法の事です。

物を書く場合は、話す場合と比べて抑揚・身振り・場の雰囲気などが抜け落ちるので、より論理的に主張を積み重ねる必要があるそうです。

このため、上手い文章を書くためには、接続詞を適切に利用する必要があると主張されています。

また、ある意見に対する反論を書いてみたり、違う前提に立って意見を書いてみたりする事で、複眼的な視点が身につくのだそうです。


最後に問いの立て方と展開の仕方です。
疑問と問いとの決定的違いは、疑問が感じるだけで終わる場合があるのに対して、問いの場合には、自分でその答えを探し出そうという行動につながっていくという点にある(p.179)

と著者は主張しています。

このためには、問題を疑問文の形で的確に表現し、因果関係に関して仮説を立てる、といった行動が必要になります。

また、一度立てた問いを展開する時は、グループを小グループにして分けるのが良いと主張されています。

よく使われるロジックツリーに似てますね。

さらに、問いを一般化したり具体化したりしながら議論を発展させるために、概念やケースのレベルを変えてみると良いという話も印象に残っています。


最後に、関係論的な物の見方の重要性について著者は主張しています。

何かを絶対視しないで、周りにある様々な物との関係の中で捉える、という事です。

これは個人的にも感じていて、例えば自分の特徴を考える時なんかは、自分を絶対的に捉えずに、周りよりも相対的にどうだ、といった考え方をした方が結論に近づきやすいよな、っていうのはよく感じます。


この本に書かれている色々な事は、議論をする、ロジックで考える時の基礎となるのですが、

自分も含めて、現状で全てできている人は少ないんじゃないでしょうか?

誰にでも必要な能力だし、読みやすい文庫本なので、是非買ってみて読んでみてください。

2008年11月16日日曜日

『脳を活かす勉強法』茂木健一郎

純粋に、勉強法を他者から学ぼう、という視点で買いました。

実践したいな~と思ったのは、

・一つひとつの行動に負荷をかける(p.42)
タイムプレッシャーという形で、一つの作業に時間制限を設けると、それだけで脳の働きが活性化するそうです。
ちなみに、このブログも制限時間10分で書いてます。

・思い立ったらすぐに勉強ができるように机の上にインフラを整理しておく。(p.72~74)
例えば、問題集とか単語帳とかノートとかを机の上に出しておく。
そして、昨日実践しようとして思ったんですが、無駄な物をしまっておく事も大切なようです。
だから、夜のうちに、鞄の中身は整理しておいた方が良いみたい。

・記憶の方法として、一度脳に覚えさせる。(p.86)
語学とかの場合に、単語を見て書き写すのは意味が無い。
一度脳に短期記憶をさせてから、その記憶を頼りに書き写す。
フランス語のDictéeは、今思えばこの方法で勉強してたからパッと頭に入ったのかもね。

・大切なのは、どうやって記憶するかではなく、記憶した知識をどのように使うかという事。(p.94)
確かに。でも、逆に目的意識があって覚えた知識っていうのは、頭にとどまりやすいのかもね。

・知識とは、人との関わりの中で生まれてくるもの。
その通り。僕の場合、「自己完結」で終わってしまう知識が多いからな~。
経済学とかの場合は、高度な内容まで本読んで勉強してしまってるので、ついてこれる人が非常に少ない、という問題もあるんだけど。
でも、色んな専門の人と話して、色々な知識を共有して、そしてそこから小爆発という形で新しい知識が得られたらいいな~。

・正しい勉強法はとてもシンプル、自分の欠点・ミスに気づき、弱点を直視できるか、という事。そして、その原因を自分自身で論理的に突き詰めて、修正できるか、という事。

という感じですかね。

他人の勉強法が自分に合うかは分からないけど、脳科学の専門家が、ある程度の根拠を持っていっているという事は間違いないのでしょう。

色々参考になりました。

自分の場合、人との関わりをどんどん上げていった方がよさそうですね。

昨日から気づいてますが、自分の課題です。

2008年11月10日月曜日

『友情について』 (キケロ)

古典なのに読みやすくて、素晴らしいです!

今日18時に買って、電車の中で読み終えてしまいました。笑

さて内容ですが、「友情」とはどのような物かが対話形式で説明されています。

印象に残った物を何点か。
優れた人々の中にしか友情は有り得ない。(p.22)

という、ちょっとビックリするような内容。

この本を読み進めていくと分かるのですが、

何か徳を指し示す物が輝き出たなら友情が結ばれ、相似た心がその徳に寄り添い結びついていく、ということであるから、ひとたびそんな自体になれば、必ず愛が立ち現れるのである。(p.47)


という部分が、この本の主張だと思います。

徳の無い人間の間には友情は成立せず、また友情は愛と隣り合わせ…と。

考えさせられたのが、
  1. 現代の友情は軽くないか?「本当の友情」はもっと重い物なのではないか?
  2. 男女間の「真の友情」って成立するのかな?

という事です。

1.に関しては、「友達だけど、相手のことは実はあまり知らない」という事が多いな~という問題意識から。

(相手の事を)愛してしまってから判断するのではなく、判断してから愛さなければならない。(p.69)

というような価値観と、自分の現実が妙に抵触するからです。

2.に関しては、この間、彼女ではない女の子と二人でご飯食べてたんですが、親世代の人にこの話をするたびに「よくそんな事できたね。」と言われ続けてきました。

それは、僕達世代の「恋愛の制約」が緩くなったからなのか、「友情」の敷居が下がってきたからなのか…と考えさせられました。

一番良かったのは、

友情は数限りない大きな美点を持っているが、疑いも無く最大の美点は、よき希望で未来を照らし、魂が力を失い挫けることにないようにする、という事だけだ。(p.27)

というところや、

人間の本性は孤独を好まず、常に何か支柱のようなものに寄りかかるが、支柱になるのが親しい者であればあるほど嬉しいのである。(p.72)

といった部分です。

80ページくらいなので、人間関係について考える事のある人は、是非皆さん読んでみてください。

2008年11月7日金曜日

『勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan』

勝間和代さんはあまりにも有名ですね…。

この本は、男女差別・ワーキングプアを中心とした社会問題を、西原さん・雨宮さんとの対談などから、勝間さんが議論している本です。

まず、若者達が抱えている不安を


人はみな、もって生まれた自分の力を十分に発揮して、社会の一員として自分の価値を確信するとともに、私生活では伸び伸びと楽しむための政治的自由と経済的余裕がほしい、と思っているはず。(p.24)
と分析しているのですが、これが自分の心境にぴったりで、ビックリでした。

思っていた事を言語化してくれたような、すっきりとした気分がしました。

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あと、ラッセルの『幸福論』を引用して、

「競争中毒」になってしまうと、余暇をゆったりと楽しむ精神を失ってしまう。(p.36)
っていうのも、的確だと思いました。ワーキングプアの一番の問題は、貧しいとかじゃなくて、精神的なダメージだと思います。

底辺の方で競争をさせられと、余暇を楽しむ精神的余裕も無い、お金も無い、で最悪の状態になってしまいますね。

なので、僕もアメリカ流資本主義には反対なのですが…この状況でラッセルをぱっと引用できる勝間さん…さすがです。笑

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次は、興味深かった話。

日本人は資本収入を増やすべき、って言う話。(p.102)

資本収入が増えると、小金持ちが増えて、彼らがお金を使う…なるほど。

要するに、株に投資しなさい、という事だよね。

しかも短期じゃなくて長期で。

今、マーケットは荒れてるけど、あれは短期で売買してた人間から見た視点。

長期で売買してる人たちは、ある程度大きな資産を預けながら、配当をもらって儲けているので、短期のトレーダーほど痛手は負ってないはず。

金融工学もまともに武装しないで専門家に勝負を挑むのはバカだけど多い。

逆に長期保有をして、文字通り「会社に投資」する個人がいてもいいのにね。

FXとか、デイトレとかじゃなくて、「小資本家」がいてもいいのに。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あと、p.166の勝間さんの質問の仕方が、コミュニケーション上の参考になりました。

勝間さんが「自分はずっと慶應で、ワーキングプアはよく分からない」といった感じの事を雨宮さんに聞いた後に、

雨宮さんたちが見ている世界を、わからない人たちに説明するとすれば、どのあたりから、理解をしていけばいいでしょうか。
という質問が素晴らしい。

自分の世界に突っ走りそうになっている雨宮さんを上手くコントロールしながら、具体的な説明をしてもらおうとする。

う~ん、なかなかできないな~。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この本の最後には、勝間さんによる15の提言が提唱されているのですが、一つだけ「難しいな~」と思ったのがあるので紹介します。

女性に対する統計的差別を撤廃しましょう。
統計的差別とは、個別に評価をするとコストがかかるため、採用時や評価時に、統計的に過去の炯炯から演繹して、性別などの属性だけで判断してしまうことでを指します。(以下略)

という事。統計的差別は確かに問題で、本来は男女間以外も統計的差別はしない方がいいでしょう。

ちなみに、この本のp.170では

実際にフリーターに職を紹介したけれども、遅刻が多くて、勤まり切れなかったみたいな話


があったと紹介されています。

でも、利益を追求する企業は、社員を採用する際に応募してきた人の事を何も知りえない。

相手の性格、やる気はもちろん、どのくらい勤める気があるのか、どのようなキャリアを積みたいのか、どのくらい能力があるのか…

などは、分かるはずがない。(面接があるとはいえ、何だかんだで隠しきれると思う。)

とすると、結局はその人の過去の行動から推測するしかないのではないだろうか?


例えば、東大卒の人と高卒の人がいたら、どっちを採用するだろうか?

多分、皆東大卒の方を選ぶだろうが、なぜだろうか?

東京大学の教育を受けているからだろうか?

でも、当然、東京大学の教育を受けている人が全員、高卒のどの人よりも優れているはずがない。

そう考えると、結局は「東京大学卒の人」と「高卒の人」を比べると、統計的に東大卒の方が優秀だから、と言わざるを得ない。

結局は、何でも統計的推測なんだと僕は思う。

もちろん、男女差別については、これは「一家の大黒柱モデル」などの過去の文化を受け継いだ物であるなら対応策が必要だが…。

女性の自由を守る事も大事だが、仮に同様の条件で入社した男女をサンプリングした結果が、こうなのであれば(多分違うであろうが)、これは「統計学的に正しい」事になるし、企業の目的と合理性を持つ。

もちろん、そんなサンプリングは不可能だし、色々と難しい問題になりそうだけど…。

他にも、紹介しきれなかったけど、欧米型資本主義の話とか、いい事が色々書いてあるので、皆さんも読んでみるといいですよ~。

2008年11月4日火曜日

『すべての経済はバブルに通じる』小幡績

随分前に出たんだけど、色々忙しくて、

ようやく読んでみました。

内容は、「リスクテイクバブル」という著者のコンセプトについて。

  • 経済なんて「ねずみ講」と同じ原理
  • リターンを取りたい人たち(機関投資家)がどんどんリスクを取ろうとした結果、バブルになった。
  • 投資家達の殆どはバブルだと気づいて取引している。

など、思いもしなかった考え方に出会えて良かったです。

資本主義が発展しすぎて、金融資本が世界中を駆け巡るようになったという分かりやすいストーリー立てが、非常に印象に残っています。

やっぱり、金融よりも実物が経済に対する影響力が大きい世の中であるべきだよね。

そういった世の中がいずれ来る事を、真剣に願います。

どうやら、今後もバブル⇒崩壊の流れは続くみたいで、金融業界は構造的に儲かりそうですが…

僕はリアルの世界で勝負したいな、

なんて考えながら読んでました。

2008年10月30日木曜日

『イスラム金融はなぜ強い』(吉田悦章)

イスラム金融がやたらと話題になっているが、一方でどのような物かは全く一般人に理解されていないのが現状だと思う。

とりあえず、簡単に概要だけ知っておこう、と思って書店でみつけたのが本書。

全く無知な私に対して、非常に分かりやすくイスラム金融を説明してくれました。

イスラム金融とは、簡単に言うと「利子・豚・酒などのイスラムで禁止されている事項を廃除した金融商品の売買にまつわる物事」で、このような金融商品の存在によりイスラムの人たちも、教義に反する事なく金融取引を行う事ができる。

例えば、ムダラバという手段は、
資金提供者:資産運用を委託する
運用サイド:資産運用を行い、手数料を取る
という形を取る事によって、金利という概念を用いずに金利に似た経済効果を生み出す。

第一反応としては、「なんでこんなに面倒なことをしなければならないのだろう?」という気がした。

でも、よくよく考えてみると、こういうスキームがあるからHappyな人たちがいて、供給が経済的に可能であれば良いのかな~という感じだった。

経済学だと、効用関数として商品のHappy が測られる(という事になっている)けど、ファイナンスだと個人のHappyは無視。

ファイナンス理論の世界では、「人々はお金が多くなるように行動する」という常識があるよね。

僕は去年から疑問に思っていたんだけど、ようやくここにきて反例がみつかりました。

「お金は全部一緒」ではなく、「どこから来るお金か、という出所によっては違う」んじゃないかな?

なんて、色々考えながら読んでいました。

銀行法とかがイスラム金融の障壁になっている、とか聞いて興味深かったけど、長期的にはそんな法律は変わってしまって、どんどん普及していくんだろうな~。

2008年10月27日月曜日

The next wave of Philanthropy

PodcastのEntrepreneurial Thought Leaders の中にある、Larry Brilliant氏の公演(5/14)。

本じゃないけど、誰もが簡単にアクセスメディアだから、これに関するフィードバックも有益かなと思ってかいています。

個人的に一番印象に残っているのが、「株主に利益を与えないが、世界に利益を与える活動のために、Googleの利益1%を使う」という経営理念。

やっぱり、「シェアホルダーのための企業」っていうのは正しくないな、って感じました。

最初に企業の経営方針・理念があって、それに賛同する人たちが投資をする。

株主総会での議決権・拒否権っていうのは、既存株主に対して大きな損害をもたらすような場合にだけ使われるべきなんですかね?

でも、万人の共通の関心として通用する政策って、やっぱり金しかないのかな?

とすると、大きなお金を集めなければならない大企業であればあるほど、結局は配当が全てになっちゃうんですかね。

こんな事を考えながら聞いていました。

2008年10月26日日曜日

外資系トップの仕事力Ⅱ(ISSコンサルティング)

3年前くらいに、一冊目(銀色)を読んだのですが、嬉しいことに二冊目も出たので読んでみました。

タイトルは「仕事力」ですが、内容は各人の生き方全般についてです。

僕は、どういう勉強して、どこに就職して…という人生戦略の立て方の参考として読んでみたのですが、印象に残った事が2点あります。

一点目は、彼らのキャリアアップ方式が2通りに分けられるという事。
つまり、
  1. 特定のエリート集団出身で、かなりの高ポジションで入社し、そこから社長になった人
  2. 新人から同じ会社(or業界)に属し続け、そのまま成長し続けてきた人
1.でいう「エリート集団」とは、有名大学のMBAとコンサルですかね。なんか、一昔前の成功パターンみたい。

でも、この本を読むと、「エリート集団」の中に「P&G入社」っていうのも含まれてる感じがしてくるかな。

まぁ、各人の経歴を読んでみれば分かります。


二点目、外資系は「日本ではなく世界と勝負できる環境」がある、という事

これは、誰かが(付箋し忘れたので分からなくなったのですが)言ってた事ですが…

自分の中で、「日系」と「外資」との間で比較をする事が多いので、その違いが明確に出る物の見方だな~という事で印象に残りました。

もちろん、日本企業は「日本のため」になる、という意味では外資にはかなわないし、互いにいい面と悪い面があるのは承知なんだけど。


力強い言葉・生き方が刻まれてる本なので、時々読み返してみたいなと思える内容だと思います。

2008年10月24日金曜日

IDEA HACKS!

色々なハック(行動・思考などを簡単・効率的・豊かにするための方法・考え方)が羅列されています。

一つ一つは結構参考になるのですが、一方で全体として何がいいたいのかが良く分からない感じでした。

著者のブログにコメントで聞いてみたけど、返ってくるのでしょうか?

でも、アイデアはいい物が並んでいると思うので、参考にしてみるといいでしょう。

以下に参考になった部分を引用・要約し、コメント・個人的フィードバックを加えます。

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・ノートは一冊にする。

確かに、色々アイデア・ToDoなどを書き連ねてると、どこに何を書いたか分からなくなっちゃうんですよね。
でも、著者は別の項目で「ToDoリストは複数持つ」とも書いています。
ちょっと矛盾してる気がしますね。
でも、メモする用の物は一つにまとめた方がいいと思います。
僕は、手帳の最後の方の空白ページが結構沢山あるので、それを利用しています。
著者の方は、忙しいようで、四半期に1冊ノートを使い切るそうですが…

・Freemindを利用してマインドマップを作る

なるほど、このソフトの存在は知りませんでした。
絵などは描きにくいけど、見た目が整理されるから、デジタルでやった方がいい場合も多いですよね。
参考にしてみます。
http://www.freemind-club.com/download.htm


・15分以上かかる予定はスケジュールに組み込む

学生団体に所属していると、予定がころころ変わるので、僕にはあまり向かなさそうです。
でも、最近はサークルとかよりも自分の立てた予定優先してるから、ある程度はOKかもしれないですね。
「あ、ゴメン。その時間は、フランス語勉強して、本読むって予定が入ってるから空いてないんだ~」って言ったらどうなるんだろう?笑

・思考する環境を作る、手に入れる

自分は部屋で考えるのが一番落ち着きます。
横にある本棚にはいい情報が沢山蓄積されてるし、音楽も好きに流せるし。
窓からの景色も非常に落ち着いていて、最高です。
でも、自宅とは別のところに、思考する環境を作ってみたいですよね。
大学は、集中しやすいよいで、なかなか誘惑が多いからなぁ~。
3時間千円くらい出してもいいから、いい場所無いかな~。

・いい物を沢山見る

当たり前ですが、自分の思考は、自分の経験に制限されるわけです。
だから、色々経験すると、色々なアイデアが出せるようになる。
でも、お金が…。苦笑

・話す時に、結論を先に言わず、前提条件を出してから話す。

自分は、言われる前からそれができていたような気もするんですが…。
そうすると、枠の外にある無意味な反論は来なくなります。
「それは、Aという前提から排除されてるよね。」って感じで。

・マトリックスの掛け算

SWOT分析をさらに掛け合わせるっていう考え方は、興味深かったです。
SWOT分析って形式的で、何か不足してるな~って思ってたのが、これを読んで解決しました。
まだアウトプットには活かしてないけど…
これは、ここに書くとマズそうなので、187ページ参照、としておきましょうか。

・視点を入れ替える

相手の視点に立つ、第三者の視点から考える。
これによって、新しいアイデアが出るのは…当たり前なんだけどできてない。笑

自分の必勝パターンを持つ

う~ん、これが持てると強いよね。
一回考えて見ます。

・迷ったら、とにかく人に話せ。

相手が信頼できる人である、っていうのが大前提だけど。
でも、相手に説明すると、客観的に物事を捉えられるし、凄い大事な事です。
これからは、どんどんオープンにしてみようかな。
ウェブでも対人でも。

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あと、この本には、11のおまけハックがウェブから見れます。
詳しくは、著者のブログ参照。http://ryu2net.typepad.jp/idea_hacks/

でも、具体的なアウトプットを出す方法につながる、いい本だと思いました。

2008年10月19日日曜日

ブックダーツ購入

以前紹介した『READING HACKS!』にあった、ブックダーツを買ってみました。

50個で1470円と、割高ですが使い勝手は抜群。

う~ん付箋紙もいいけど、ブックダーツも良いですね。

一冊に2・3箇所とか、大事なところはブックダーツにしとくといいかもしれません。

銅の色が目を引き、付箋紙の赤・青・黄といった色とは違った印象が残ります。

Supercapitalism (Robert B. Reich)

まだ読み始めたばっかりですが、興味深い箇所があったので、ブログに残しておきたいと思います。

資本主義と民主主義の対立が描かれているのですが、

"The unaccountable power of large corporations seemed inconsistent with democracy."(p.22)

とあり、その後は規制の話になって

"By the middle of the 20th century, around 15% of the nation's economy was directly regulated."(p.24)

だそうです。

そこでBerley&Means の有名な著書が出てきて

"top executives of America's giant companies were not even accountable to their own shareholders but operated the companies 'in their own interest, and divert[ed] a portion of the asset fund to their own uses.'"

と要約されます。

僕の問題意識として、
  • ミクロ経済学において企業は人と同じように並ぶ主体なのか?
  • 企業は人から構成される集合体に過ぎないのではないか?

というのがあったので、ちょっと考えてしまいました。

これは、企業の利潤最大化原則が国民感情に触れたために妨害されたケースではないか?

企業はやっぱり人から構成される集合体ではないのか?

なんてね。

今後の研究の参考になるかもしれないので、こちらに記録として残しておきます。

『1回の会議・打ち合わせで必ず結果を出す技術』(斉藤岳)

この間、大学講義内のグループワークの決め事をするために、ミーティングをやったのですが、全くといっていいほど何も決まりませんでした。

これはまずい、と思い、本棚にあった『1回の会議・打ち合わせで駆らず結論を出す技術』を読み直してみました。

という訳で、この本の重点(と僕が思った部分)だけ抜き出して、要約してみます。

  • 各自が勝手な話をしださないように場の空気を操る。

  1. ゴールを明確に定める。
  2. 話すべき論点を明確かさせ
  3. 停滞・対立には思い切って踏み込む。「事実」をベースにして話し合う。
  4. 空中戦・思考停止ワードを避けて、事実をあぶりだす。
  5. 参加者を観察し、ニーズに敏感になる

他の部分は、あまりにも難しそうなので、覚える必要は無いでしょう。笑

そんで、会議の集束と発散を意識するとなお良いようです。

  • 集束:出たアイデアから絞ってゆく作業
  • 発散:アイデアをとりあえず出す作業

著者は、結局18の心得・技術を挙げた後に、自身で重要な4つだけでまとめています。

それが、

  1. ゴールを意識する
  2. ホワイトボードの前に立ち、とにかく書く
  3. 論理構造を頭の中で考える
  4. 愛をもって接する

の4つ。

この4つは、手帳にでもメモっとくかね。笑

ただ、本書のホワイトボードの使い方の部分は興味深いのですが、学生間の会議だと黒板やホワイトボード等は使えない事多いので、残念だけど自分で応用する場合には却下。

でも、それ以外の3つは非常に重要。

学生間だと、1と3のどちらかが抜けるパターンが多いので注意したいと思います。

そして、最後に「愛があればなんとかなる」。

これ、すごい大事。

史上最強の人生戦略マニュアル(フィリップ・マグロー)

全部読んでないんですが、良かったので最初だけ。


人生の法則①《ものが分かっているか、いないか》


自分が勝負する土俵を、本当に理解しているか?


自分は嫌でもその土俵で勝負していかなければならない。


<万人に共通する10の特徴>


①全ての人が一番恐れるのは、「拒絶される」事である


②全ての人がいちばん必要としているのは、「受け入れられる」事である


③人を動かすには、相手の自尊心を傷つけない、もしくは、くすぐるようなやり方をとらなければならない


④人は皆―例外無しに―どんな状況にさしかかっても、「自分はどうなるのだろう?」という不安を、少なくともある程度は抱く


⑤人は皆―例外無しに―自分にとって個人的に大事なことを話したがる。


⑥人は、自分が理解できることだけに耳を傾け、自分の中に取り入れる


⑦人は、自分に好意を持っている人を好み、信じて頼る


⑧人はしばしばはっきりとした理由もなく行動する


⑨上流階級の中にも、料簡の狭いつまらない人間がいる


⑩全ての人には―例外無しに―「外面」がある。あなたは、その仮面の向こう側にあるものを見なくてはならない。


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自分の経験に当てはめると、本当だなと感じました。





それなのに、自分は他人に対して違う行動をとり続けてきたな、と感じました。





例えば、①②を読めば、議論の最初から相手と正面衝突する方法は(例え意見が真っ向から食い違っていたとしても)良くないでしょう。





あと、⑥を考えると、まず相手が分かるまで説明を続ける事も大切なようですね。





相手が分からないなら切り捨てる、という精神は最低レベルのところでは必要だと思いますが(でないと何も共有できない)、その最低限さえ満たしていれば、後は我慢してもいいのかな~と感じました。

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人生の法則②《人生の責任は自分にある》


今、何かに対して不満を持っているのならば、その結果に対する責任は自分にある。


もし本当に自分に責任が無いのだとしたら、自分がそれに対して不満を抱く必要は何も無い。


ただ、責任が自分にあるのなら、その結果を生んだ行動に振り返ってしっかりと考えてみれば、どうやって改善すれば良いか分かる。


自分自身の問題は、自分自身にとってのみの問題であるので、他人は気にかけてくれない。


結局は、自分が何とかしなければならない。


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なんか、めっちゃパワーがある本です。

早く読みきろう~!っと

2008年10月17日金曜日

世界金融危機(金子勝、アンドリュー・デヴィッド)

最近の金融危機について、比較的簡単にまとめられている一冊です。

この本を読もうと思ったきっかけは、経済学部生としてサブプライムを発端とする現代の金融危機について知識があまりにも不足しているという問題意識があった事でした。

そういうアンテナを張った状態で新聞・テレビ・雑誌などを眺めていたら、テレビ番組でこの本が紹介されているのをみつけました。

都内某書店の売上1位(テレビでは書店名は公開されなかったけど、おそらく丸善日本橋店)となっていたので、次の日に即買いでした。

ちなみに、買ったのは紀伊国屋書店横浜店、最後の1部でした。

まず、驚いたのが長さ。

70ページくらいしかないんです。

でも、金子勝氏が書き続けていた色々な書籍の総まとめのような形だった事もあり、内容が非常に充実してて、ビックリでした。

本を読むくせがついてない人にはちょうどいい内容・長さだと思うので、すごい勧めます。

内容については…

サブプライム危機の解説が分かりやすかったです。

各金融機関が、リスク資産のリスク度合いの算定を格付け機関に頼っていた現状を知り、恐ろしいなと感じました。

なんで、どこの会社もリスクに気づかなかったんだろう?

リスクに気づく格付け会社が現れて、誤った情報を発信している格付け会社が淘汰されてもいいはずなのに。

あと、「影の銀行システム」についての説明も、非常に明快でした。

証券会社などが信用を供給できるようになったという、体制シフトも一つの要因のようです。

一番印象の残ったのは、「次にどうなるか?」に関する著者の見解。

金子氏の著書『閉塞経済』にあるように、石油の時代が終焉、環境問題、などを受けて、新しい経済の在りかたが問われているのだと感じました。

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アメリカドルの、非常に大きな危機を迎えています。

不動産市場を安定させるには、ある程度の国債を発行せざるを得ない。

ただ、イラク戦争関連で莫大な出費を既にしているし、これ以上の国債が果たして発行できるのか?という問題がある。

アメリカの国債は、中国・ロシア・中東諸国といった、アメリカの同盟国とは呼べない国々によって支えられている、という現状があって非常に怪しい。

そろそろ機軸通貨がEUになる時代が来るんですかね?

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もう一つ印象に残ったのは、石油とグローバリゼーションについて。

石油価格上昇⇒輸送費の上昇⇒モノのグローバリゼーションの縮小

という構図が描かれていました。

僕の感想は、カネのグローバリゼーションが拡大していった結果、モノのグローバリゼーションが縮小していくのは非常に皮肉な結果で、残念な事に思えます。

日本は内需に頼るだけの経済力は残っていないのに…

2008年10月16日木曜日

READING HACKS!

昨日読み終わりました。

「本を読む」という事について書かれている書籍はたくさんありますが、本を読む事に慣れていない人の視点にも配慮して書かれている物は少ないのではないでしょうか?

『READING HACKS!』に影響を受けて、これからやってみようと思った事は次の通りです。

・70:20:10の法則:専門分野の本を7割、周辺分野を2割、その他を1割の配分で読む。
僕の場合だと経済学部生なので、世の中のお金の流れについて7割、マーケティング・財務諸表関連・環境問題・法律などの領域に2割、芸術・文化・小説などその他の本を1割ですかね?
関連の無い分野を少し入れると新しいアイデアが生まれやすいという事実には気づいてたんだけど、入れすぎるとピンボケするから悩んでたんだよね。
金額的な割合の目安として参考にします。

・ブックダーツを使ってみる

早速明日買ってこようと思います。使い心地はどうなんだろう?良かったら、また取り上げますね。


・著者の声を聞く・ウィキペディアで著者のエピソードを読む

本に付随する情報が多ければ多いほど、色々な情報が頭の中に入っていいかな~って思います。
これは、読んだ瞬間になるほど~という感じでした。

・行動のための読書をする

大学生なので、知識だけ貯めればいいかな~って気がしてたんですが…。この点は重要かもしれないですね。
僕は研究者にはならないので、将来どのような職業に就きたいのかを考える・経済の行く末を考える、など自分となんらかの形で結びつく知識を身につける場としての読書が大事かな~と感じました。

・読書の7割を垂直型読書に投資する

自分は○○については詳しいです、っていうのを、就職活動までに作れたら強いですよね。
そして、それは自分にとって凄い強みになると思います。
プロフェッショナルな知識を目指していきたいです。

・友人に図書の感想を送ってみる

自分の周りの友人も読書について興味を持ってると思うし、自分が良かった本を薦めた事をきっかけに交友関係が広がっていったらいいかな~と思って。
どうせブログにもアップするんだし、手間も大きくはかからないし得かな~なんて思ってます。


いずれにしても、読んでビビッときたら、すぐ実行する事が大事ですね。

三日坊主にならないように頑張ります。

ブログ開始

『READING HACKS!』を読んでみると、著者は自分が思っている以上にデータベースを重視している事が分かりました。

昔、ブックカードを作ろうかなと考えたのですが、アナログだとかさばるし、保存が大変だし、引き出すのはもっと大変だし、非効率かなと思って止めてました。

一時期、ちゃんとプデジタル保存できるブックカードをプログラミングしようと試みたのですが、面倒であえなく断念。でも、ブログという手段がある事にこの本を読んで気づきました。

これから、僕が読んでよかったと思えた本の概要・学んだ事・関心を持った事などについて書いていきます。