クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門 山形 浩生 春秋社 2003-11-22 売り上げランキング : 34142 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ノーベル経済学賞のポール・クルーグマン氏による、日本経済の不況に関する分析。
経済学には「流動性の罠」という概念があって、これは、金利が0%になっているために中央銀行が景気刺激策として金利引き下げができないような状態の事。
これは随分前にケインズが考えた概念だけど、経済学者はこれをあまり現実味の無い話として捉えていて、真面目に分析してこなかったんです。
ところが、日本は「失われた10年」くらいから、流動性の罠にはまっているって言われるようになった。
そこで、しょうがないから「教科書的な」解決策が正しいと信じて、とりあえず財政出動をしているのが今の日本。
また、同時に、理論的根拠の無い色々な処置をしてるのも事実。
まぁ、それは世界(=アメリカ)がそれを勧めたのも大きいんだけど。苦笑
そんな状況に対して、期待インフレを起こす事が経済学の観点から有効な経済政策である事を、論理的に厳密に証明しているのがこの本。
最近は金融危機で世界全体が流動性の罠にはまりつつあるので、参考になります。
普通のハードカバーにしては専門的だけど、数式はそこまで難しくなく、理系の人とか、経済学部専門課程の人なら余裕でしょう。
経済に関する定性的分析は色々騙されやすいので、
日本経済に興味がある人は、まずはこの本を読むと良いです。
分からなければ、簡単なマクロの教科書を紐解いてみると良いでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿