不況に克つ12の知恵 | |
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文庫本以上に薄~い本なんですが、肉声のCDが付いていたので買ってみました。
本人の声を聞くと、勢いというか、感じ方が伝わりやすいです。
この本には、「腹をくくる」「志を変えない」といったメッセージが12個紹介されていて、一つのメッセージあたり3~4ページの解説が入ってます。
経済学部生として感じた事は、
1.松下幸之助には、完全競争に則って勝負しようとするようなフェアな精神が備わっている。
その起源は、おそらく昔の日本の商人魂だと感じられる。
だからこそ今のビジネスの世界のような、短期利益が第一、では決してできないような結果を出せたんだと思う。
2.簡単に言ってしまえば、目的を持て・プラス思考で行け・行き詰ったら休め、という事が書いてある。
これは、人生において大事なのは当たり前。
ただ、伝え方が上手いな、何かエピソードが多くて印象に残りやすいようにできている。
3.「ダム式経営」とは、つまり長期均衡へ向かう、という事である。
吉野ゼミの過去問にあったんだけど(慶應経済じゃない人はごめんなさい)、
バブルが起こって需要が増える⇒企業数・労働者数が増える
その後、バブルがはじけて需要が減る⇒労働者数は減る、短期均衡では企業数は減らない
というような趣旨を説明させる問題がありました。
利益がマイナスでも、固定費用の一部でもまかなえていれば商売は続けていくんだとか。
でも、市場参加者が、松下幸之助が言うような「ダム式経営」をやれば、
経済に大きなショックはかかりにくいし、プラスが大きいんじゃないかな、と考えさせられました。
ただ、バブルの時に、上昇した需要に食いつかない!っていう、のが出来ないと思うんだけどね。
外資が参入してきて、終了~な感じがする。笑
まぁ、これは難しいか~。
でも、モラル的には、労働者が「使い捨て」になるんだよね。
ちなみに、一つだけ本から引っ張ると、
昔、松下が不況に直面して商品が売れなくなった時に、
職工さん達の労働を半分にして、半分は遊ばせた事があるそうです。
この時代だと、
「遊ばせた=人件費を半分に」
って思っちゃうけどそうではなく、
人件費は半分損になるが、売れない商品のための在庫の費用がかからないからマシ、と判断したらしいです。
根底には、人件費=社員の生活がかかっている⇒減らしてはいけない物、といった考え方がありそうですね。
本のお話としては、
「休んだ時に英気を養って、好況が来たらまたスタートできるようになった」
というストーリーなんですが、
僕はこの賃金=削ってはならない費用、みたいな考え方に感動しました。
まぁ、モラルから考えれば当たり前なんだけど、経済から考えると非効率なので。
ちなみに、
http://www.asahi.com/business/update/0401/TKY200904010317.html?ref=rss新日本製鉄は4月から、室蘭製鉄所(北海道室蘭市)や釜石製鉄所(岩手県釜石市)など全国5カ所で、毎月1~2日間、従業員の一時帰休を実施する。日給を15%カットする。新日鉄の一時帰休は00年以来。役員、監査役は4~6月の月額報酬の16%を返上する。
だってさ・・・。
三十分で読めるし、肉声CD付きで500円は破格なので、是非読んでみてください。
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